消費者物価指数が上がらないと

先日発表された消費者物価指数は予想に反してマイナスに転じました。案の定、日銀の利上げに対して批判が飛んでいます。
 消費者物価指数のマイナスの原因は原油価格の下落によるものだとされています。その理由付けが正しいかどうかは別にして、これからインフレが起こるという見解に対して疑問を感じてしまう事は確かです。
 不動産価格の高騰や高級嗜好品の価格上昇はある程度認められると思いますが、購買力全般の数字は見方にも寄りますが、それ程上がっていないのではないでしょうか。
 住宅販売に関する数字もそろそろマイナスも出始めています。賃金の上昇も税金や年金、保険料の上昇分である程度帳消しされてしまうことも確かです。それほど購買力が上がるとも思えない状況がしばらく続きそうな事は明かなような気もするのですが‥?
 このままの徐々にマイナス傾向が続くと、日銀は再び利下げせざる負えない状況になるのかもしれません。そうなれば円安、株安?となり米ドルはともかく、クロス円の上昇が再び本格化してしまう可能性もあるのかもしれませんね。

月足で見るUSDJPY

普段は日足や分足を見ることが多く、そのほかの月足などはめったに見ないのですが、USDJPYの月足は少しまずい感じです。
 2005年の1月後半から始まった大きなドル高円安のトレンドが、今月117円あたりで終わってしまいますと少し崩れてしまいそうな感じです。
 4月に115円あたりまで下落しますと完全にトレンドラインを割り込んで、「ドル高円安トレンドは終了」という形になってしまいそうですね。
 これは円キャリーの終了を示唆するものなのかもしれません。(割り込んでしまったらの話ですが)その場合しばらくは方向感のない、あるいは急降下、急浮上の連続といった難しい展開が待っているかもしれませんね。

テクニカル分析の信頼性

投資のパフォーマンスを上げる為に、テクニカル分析の研究をしている、あるいは新しい分析方法を採用することにした等のお話はよく耳にします。
 テクニカル分析の信頼性を上げる事を研究することは良い事だと思いますが、それがそのまま投資のパフォーマンスを上げる事になるかといえば少し疑問があります。
 たとえば今までそのテクニカル分析の信頼性が65%程度だったものを、ダマシを減らす工夫をしたり他のテクニカルとの併用で信頼性が85%まで向上したとします。
 それでも15%はうまく行かないトレードが存在するわけなのですが、研究の成果で信頼性が向上しますとどうしてもそのテクニカル分析を過信してしまう傾向があるように思います。過信してしまったせいで15%の失敗トレードのコントロールがうまく行かず逆に以前より損失が増えてしまったという経験をお持ちの方も多いように思います。
 
 より研究を重ねても信頼性を100%に近づけることは難しいように感じます。また、信頼性がかなりアップしても知らず知らずのうちに過度のカーブフィッティングを行っていて、近年だけしか通用しないものになってしまっている可能性もあります。

 私の場合、テクニカル分析は単なるツールのひとつと考えています。なので特に研究して信頼性をアップさせる努力はあまりしていません。それよりも失敗トレードのコントロールをポートフォリオや資金管理をうまく使って行っていく事のほうが大切なように思います。

4月以降の為替の見通し

4月以降の為替の見通しについて、そろそろファンドマネージャーの方やアナリスト、トレーダーなどの方が意見を述べる機会が多くなってきているように思います。
 割合的には円安派6に対して、円高派が4といった所でしょうか。
レンジを継続してそれほどトレンドが出ないと予想されている方はいないようですね。
私は4月から年末にかけて一方向へはそれほど大きく動かないのではないかと思っているのですが?
 円安と考えた場合、ドル円130円、ユーロ円180円、ポンド円260円 この程度までいってしまうのでしょうか?
 円高と考えた場合、ドル円105円、ユーロ円130円、ポンド円200円 といったところでしょうか?
 あまり具体的な数字を出している方は少ないようですが、トレンドが出るとすればこの程度まで行ってしまっても不思議ではないと思います。この程度のレートまで動くにはそれなりに大きな要因が必要なように感じるのですが、あまり思い当てるものないように思います。
 円安にしろ、円高にしろ世界経済の拡大がどの程度進むかがある程度争点になっているように思います。もっと拡大すれば円安、ある程度減速すると考えれば円高、といった結論にたどり着いているようですね。

 米国、欧州、BRICS、日本経済どれも拡大要素も不安要素も抱えています。ある程度綱引きをして今年はそれ程一方向へ動かないのでは、などと考えるのは邪道なのでしょうか??

スキャルピングの落とし穴

この時期FXは大きな上昇トレンドのあとの下落も一服し、どちらへ向かうエネルギーも不足気味で、ある程度の幅を持ったレンジを行ったり来たりする時間帯が長くなります。
 4時間足や8時間足、午前8時から9時の動きと午前10時の動きのギャップ、夕方4時から5時の動きと5時以降のギャップ、短時間でできるサポートとレジスタンスなど、いろいろ利用方法を研究しますとスキャルピングが面白いように決まります。
 特にポンド円の場合、一回で30銭から40銭は取れることが多いです。一日に3~4回成功する事も多いですからマックスで1円60銭、10枚でトライしていれば一日に16万円!! 勝率もエントリーの指値とリミットをうまく研究すれば8割は越えるかもしれません。
 最初は一応損切りを設定するのですが、戻ってきてしまう確率が高いので、損切りをつけなければうまく行っていたというケースが増えてきます。そうなるともう損切りは付けられなくなってしまいます。
 
 それでもいつかはそういった傾向が崩れる時がやってきます。トレンド圧力が強くなってどちらかの方向に抜けてしまいます。そんな時に限って逆方向のポジションを持っていることが多く、損切りできずにどんどん損失だけが膨らんでいく。
 これをスキャルピングの落とし穴と呼んでいます。
 今まで何度となく成功トレードで積み上げてきた利益が、一度の失敗ですべて飛んでしまう。本当に辛い事です。
 損切り設定ルールをきちんと守る。深追いはしないルールを作るなど対処する方法もあるのですが、あまりにもおいしいトレードであるとなかなかそういったルールを守れなくなってしまうことが多いです。
 スキャルピングはおいしい、でも落とし穴も深いです。慎重にトレードする事を心がけましょう。

みんなでシストレをやると市場が機能しなくなる?

「みんなでシストレをやると市場が機能しなくなる?」というような内容の質問を頂きました。
セミナー終了時にも同じような質問を何人かの方から頂いたと思います。

 FMやアナリストの方でもそのような意見をお持ちの方がいらっしゃるようですが、私なりの考えをまとめたいと思います。

 以前に炭谷道孝さんという個人投資家の方が書籍で、商品先物のガソリンの引け間際のアノマリーを利用した必勝法を紹介しました。ところが書籍発売後すぐにその必勝法は機能しなくなってしまいました。
 このような事は取引量が少ない市場ではしばしば起こっています。しかし半年もするとその必勝法はまたある程度機能するようになりました。

 為替のような巨大市場でもそういったことは起こりえます。
2000年以前と2000年以降ではまずボラテリィティが大きく異なります。昨年のはじめあたりまでボラテリィティは相対的に下がり続けました。
 これは外為法の改正で市場参加者が大きく変わってきたと言う事も原因として上げられますが、ヘッジファンドなどを中心にコンピュータを利用した自動売買システムが細かいカウンターモデル中心と言う事も上げられると思います。
 一昨年の2005年優秀な運用成績を残したモデルは、カウンター系のモデルが多かったのですが、昨年2006年に優秀な運用成績を残したモデルは欧州通貨を中心とした長期トレンドフォロー系のモデルでした。
 今年になってボラテレリティはかなり大きくなってきています。

 システムトレードの流行や市場参加者の変化、流行した手法などの影響によって、市場が偏った動きをする事はあると思います。ところがあまり偏りすぎると自然と反対方向へ動き出してしまう。これが大きな流れとしての市場原理のような気もします。
 
 大多数の人がカーナビを使って裏道で渋滞を回避したら裏道が込んでしまいます。しかしそのとき幹線道路はある程度すいてきます。その後また幹線道路を走る人が増えていく。そのようなことの繰り返しと大筋は似ているような気もします。
 
 システムトレードや個人投資家の大勢の参加が市場原理を歪めてしまうようなことはないと思います。
 ただ機関投資家が得意とする伝統的な手法が、いつまでも機能するとは限りませんが‥。

損切のレート

損切のレートはどのぐらい幅を持たせればよいのか?これは良く受ける質問です。
まず考え方としていくつかあると思います。

1.システムトレードのルールのひとつとして、バックテストから最適な値を割り出す。
2.トレード期間にあわせて、過去一週間や一ヶ月などの間レジスタンスとなっているレートの少し下、(ショートの場合は少し上)に置く。
3.最近のボラティリティを計算し、最大値の7割あるいは平均値の1.3倍あたりを目安とする。
4.資金管理の側面から、ワントレード5%(あるいは3%)以内に抑えるように調節する。

 当然デイトレなのか中期スイングなのかなどの期間によっても変わりますし、通過ペアによっても変わります。
 難しい事を考えずおおよその目安としては、デイトレから短期スイングの場合、
ドル円:1円
ユーロ円1.3円
ポンド円1.7円
豪ドル円0.8円
あたりのレート幅になりそうです。(私はもう少しきつめです)

 問題は損切にかかりすぎても困りますし、一度かかると損失が大きくなりすぎても困りってしまうということです。ポジションサイズとトレーダーの精神的損失許容範囲にもよるように思います。
 こればかりは自分なりにいろいろ試して行くより答えは出ないようにも思います。

急落時の有効策

2月下旬から3月初旬にかけてのような急落時に有効な対策は、と聞かれることがあるのですが一般的で申し訳ないのですが、やはり損切りを予めつけておくということが有効のような気がします。
 この予めと言うのがポイントで、私はオーダーを出すときに必ずセットでストップも入れることにしています。もう習慣化してしまっていまが、これが大切なように思います。
「下がりだしたら切ればいい」と考える方は多いと思いますが、どうも下がってからではいろいろ考えてしまって切るタイミングがつかめず、ズルズルいってしまう事が多いように思います。
「損切りを付けたら、損切にかかってから元に戻る事が多いからやめた」こういう意見も良く聞きます。5回のうち4回程度はそうなるように思います。
 ただ、あとの一回が致命傷から救ってくれる。そのように考えてストップをつけるようにしています。またストップをつける事によって、ワントレードの損失額をきちんと計算でき、トレード計画が立てられます。

「両建てにして対処した方が良いのではないか」という意見も耳にしますが、これも賛否両論で私は逆にはずし方が難しくなってしまい、よほど経験を積まないとうまく行かないように思います。

「損切りのレートはどのぐらいにしたら良いのか」これはまたちょっと難しいです。
また次回に。

日銀の利上げが原因?

今回の円高、株安の原因は日銀の利上げにあるということが一部で言われています。

 2月に行われた利上げは、半数程度の関係者が予想していたと言われています。また利上げが行われる前も、利上げを想定して一時的に円高へ動いたり思惑的な仕掛けがありました。利上げ発表後は織り込み済み感が強く、円安方向へ一時動きました。少なくともサプライズ的なものはなかったように感じます。
 このように見て行きますと日銀の利上げだけで、これだけ大幅な円高や株安は考えずらいように思います。
 円キャリーのポジションはかなりたまっていた事は確かです。株も昨年秋ごろから調整らしい調整がないままに上昇を続けてきました。タイミング的にはいつ大きく調整してもおかしくなかったのではないでしょうか?
 
 バブルの不安が拭いきれない中国株、クレジットデリバティブ崩壊懸念のある米国株、どちらもその下落は引き金としては充分だったように思います。

シナリオの想定

先週から今週にかけて、為替、株式、商品先物ともに、かなり荒れた展開となっています。
 こういったときは一つのシナリオに固執せずにいくつかのシナリオを可能性とセットで想定しておく事が大切なように思います。たとえば

1.金利差が大きく変わったわけではないので株安が落ち着けば、再び円キャリーが再開し円安方向へ一直線。
2.一度大きく下げてしまったものはなかなか立ち直れず、為替、株ともにしばらく下値を模索する展開が続く。
3.ちょっとした材料でも大きく動いてしまう、方向感のない乱高下が続く。

大きく分けるとこんな所でしょうか。
可能性的には、個人的に1=20% 2=40% 3=40%程度に考えています。
 ただ問題は可能性の大きさではなくて、想定したシナリオどおりになった時、どう行動するかのほうがより大切なように思います。
 私はしばらく、ロング、ショートどちらかに固執せず、ポジション枚数を少なくしてフットワークを軽く対応したいと思います。